その部屋は待っていた。

主を待ちつづけていた。

そしてついに扉が開かれ、一万二千年ぶりに主が戻ってきた。



禍々しいまでに強く、気高く残酷だったきみは、、、


かつてその翅はアポロニアスの背中にあったものだ。

彼の裏切りが発覚し、処刑台で磔になったとき、あのとき・・・・。


裏切りの苦しみを、哀しさを忘れない為に、トーマはその翅を兜に飾ったのである。

かつて愛しいと思った男の翅を・・・。




どこかで風切り音がする。


あれはアポロニアスの翅の音だろうか。 それともわたしの翅の音だろうか。









高く・・・低く・・・高く・・・低く・・・。



その音はつづく。








『創聖のアクエリオン』 頭翅:KANA

PHOTO by ヤン
文章:小説『創聖のアクエリオン 天翅編』より抜粋

 

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